2025年7月に会社を辞め、個人事業主として活動してきたのですが、この度、新たに屋号を定めて活動していくことにしました。
まだ始まったばかりで進んでいるプロジェクトも少ないのですが、どんなことを大切にしてどんな仕事をするのか、そしてどう生きていくのか、今の考えを共有させて頂こうと思います。
挨拶
古今と(kokonto inc.)を立ち上げました。石本大歩といいます。
大学・大学院では建築設計とデザインエンジニアリングを学び、その後、木工所に就職しました。職人として、また木工機械エンジニア、デザイナーとして、住宅や商業施設の家具・建具、さらには組子などの伝統木工技術まで、幅広いものづくりに携わってきました。
ものづくりを効率よく進めるために、デザイン・製作・販売を分けることは理にかなっています。専門性は深まり、品質も安定する。自分自身もそう考えてきました。
ただ、その中で一つの問いが残りました。
全体を知らずに、ものの価値を本当に伝えられるのだろうか。
作り方を知らずにデザインしたとき、何かが抜け落ちているような感覚がありました。
売られた先を知らずに作ったとき、誰のためのものかを見失いそうになる感覚もありました。
答えはまだ見えていません。
それでも、この問いを持ち続けながら仕事をしていきたいと思い、古今と立ち上げるに至りました。
デザインから製作、そして販売まで。
ものづくりのすべてに真摯に向き合える環境を、自分の手でつくること。
それが、僕の出発点です。
使命
地域・伝統・風土の価値を現代の技術とデザインで再編集し、
未来の普遍として社会に実装する
これが古今とのミッションです。
そしてその「未来」とは、昔から続いてきたものを見つめ直し、
いま起きている変化を受け入れ、
その先に立ち上がってくるものなのではないか。
そう考えています。
デザインであってもプロダクトであっても、一過性のものではなく、
10年後も20年後も、そこにあり続けるものにしたい。
それが「普遍」という言葉に込めた意味です。
これまでもそこにあったような、
それでいてどこか新しく、
これからもそこにあり続けるような。
そういうものをつくりたいと考えています。
名前
そして、その感覚を表す言葉として選んだのが、「古今と」です。
「古今」には、古を見つめ直し、今に向き合うという意味があります。
「と」には、時間、領域、人をつなぐ接続の意味、
何かと何かが共にあるという意味を込めています。
過去と今。土地と人。伝統と技術。手仕事とデザイン。
そうした異なるものを分けるのではなく、
つなぎ、編み直し、その先へひらいていく。
その意思を「と」という一文字に託しています。
そして「ここんと」と読むと、
「ここのもの」「ここの土地」「ここの場所」といった響きが生まれます。
それは、福岡やこの地域に根ざしたいという思いであり、
どこか抽象的な未来ではなく、
いま自分たちが立っている場所と向き合うことでもあります。
漢字で見ると思想や構えがあり、
ひらがなで読むと親しみや余白がある。
その両方を併せ持つことを意図した屋号です。
方針

0 しる・ためす Prototype
そんな古今との事業の中心にあるのが、Prototypeです。
これは、アイデアや技術、文化の可能性を、まず丁寧に知り、まだ見えていないかたちを描きながら、小さく試していくための実践です。
古今とは、完成品をつくることから始めるのではなく、土地や素材、人の営みを観察し、問いを立て、仮説を描き、手を動かしながら、根本的な型を見出していきます。
試すことは、単なる途中経過ではありません。
まだ名づけられていない価値を見つけ、未来の当たり前へと育てていくための、古今との出発点です。
1 つくる Space|Product
一つ目の事業はspace|productです。
地域の風土や文化、営みを再解釈し、現代の中で体験できる空間とプロダクトとして立ち上げます。
単なる建築や内装、単体のものづくりではなく、土地に根ざした価値を一体的に設計し、未来へひらいていきます。
職人やつくり手と協働しながら、手仕事とデザイン、技術を接続し、これからの時代のものづくりを社会に実装していきます。
2 ささえる Solution|Software
二つ目が、solution|softwareです。
ものづくりの現場やプロセスに対して、デジタル技術や仕組みを組み合わせ、新しい生産や表現の可能性をひらきます。これは単なる効率化ではなく、人の感性や技術を拡張するための設計です。
3 のこす Research|Archive
三つ目が、research|archiveです。
地域や工藝、素材、技術を記録し、読み解き、未来に引き継げる形で蓄積していきます。失われつつある知恵や技術を、再び立ち上げられる状態にしていくことが目的です。
4 伝える Blanding|Event
そして四つ目が、Branding|Eventです。
つくられた価値を社会に伝え、人々にひらいていくための設計をします。
展示や体験、発信を通して、文化が広がり、次の担い手へとつながっていきます。
今後
古今とは、これらを個別の事業としてではなく、
しる・えがくを起点に、つくり、ささえ、のこし、つたえる。
その循環によって地域・伝統・風土の価値を未来へひらいていく。
それを目標に、日々誠実に、人に、土地に、技術に向き合っていきます。
このnoteは、試行錯誤を書く場所です。
完成する前に、書く。 答えが出る前に、記録する。
うまくいかなかったことも、残す。
それを、ここのルールにします。
過程の中にこそ、伝えたいことがあると思っています。なぜその問いを立てたか。なぜその形を選んだか。何を捨てたか。完成物だけを見せても、その判断の積み重ねは伝わらない。
しる、えがく、つくる、ささえる、のこす、つたえる。
その途中を、書いていきます。