pejite益子で感じたこと
家具
古家具をリメイクしたものと、新しく製作された家具が自然に混在している。
ただ新旧を並べるのではなく、素材感・色味・高さ・余白によって全体の調和が取られていた。
ガラスの棚板やショーウィンドウの「表と裏」の収まりがとても丁寧。
正面だけでなく、横から見た時や裏側の構造まで美しく整えられている。
椅子がぴったり収まる、作業テーブル兼展示テーブル。
“使うこと”と“見せること”が分離されておらず、生活と展示が連続している感覚があった。
大谷石に木板を載せただけのシンプルな什器。
構成は極めて単純だが、素材同士の相性と重さのバランスが良く、空間全体に静かな強さがあった。
照明
木の欠けや不完全さをうまく取り込んだデスクランプ。
全体のディテールは非常に整っているのに、一部だけ欠けている。
その“不均質さ”が逆に素材の自然さや時間性を感じさせていた。
(さとう電気)
飛松灯器さんの照明。
光だけでなく、金属・木・ガラスの質感まで含めて空間をつくっていた。
照明を空間全体に均等配置するのではなく、中心部に複数種類をまとめて吊るす構成。
光の密度に偏りをつくることで、場の重心が生まれていた。
器
阿久津さん(益子)の器。
グラデーションの釉薬表現が美しく、それを過剰な造形ではなく、極めてシンプルな形状で受け止めていた。
色や焼きの揺らぎが主役になっていた。
配置・空間
ショーウィンドウの「開いている場所」と「閉じている場所」が統一されている。
ただ全面を見せるのではなく、見せる/隠すのリズムが空間全体にあった。
梱包箱まで美しい。
商品だけでなく、運ばれる過程や保管される状態まで含めてデザインされている感覚。
壁の一部だけ大谷石を見せる構成。
全面に使うのではなく、“少しだけ露出させる”ことで素材の存在感が際立っていた。
無垢板をパッチワーク状に組み合わせた入口。
均質ではない木の表情が、逆に空間の入口として強い印象をつくっていた。
全体を通して
pejite益子では、
「整えすぎないこと」が非常に丁寧に設計されていた。
古いもの/新しいもの、
均質なもの/欠けたもの、
見せる部分/隠す部分。
そうした対比がバラバラにならず、素材感・余白・光で静かに統一されている。
“民藝的”というよりも、
素材や時間の揺らぎを現代的な感覚で編集している空間だった。